車の委託販売トラブル

近年、中古車の新しい販売方法として委託販売が注目を集めています。
委託販売は通常買取業者への売却とは少し性質が異なります。
注意して利用しなければ、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性がありますので注意が必要です。

今回は、車の委託販売にまつわるトラブルについて記載していきます。

車の委託販売ってそもそも何?

委託販売とは、中古車販売店の店頭に自分の売りたい車を展示してもらう方法のことです。
自分は展示にかかる手数料や保管料などを支払い、販売店はその車への問い合わせや来店客に応対し、車が売れるよう営業活動を行います。
成約した場合、展示している中古車販売店が全ての対応を行い、代金のやり取りや車両の点検、名義変更など様々な諸手続きも行う事になります。

自分は車が売れた場合にだけ売却金額から諸々の利用料を引いた金額を受け取る事になります。
委託販売は費用はある程度かかりますが、店頭に並ぶため自分で買い取り先を探すより注目を集めやすく、しかも面倒な手続きまで全て販売店が行ってくれるので非常に便利な方法だと言えます。

委託販売のトラブル

ただ、人気が出る一方で様々なデメリットやトラブルも増えてきています。
買取希望者がいつ現れるか分からないため、売却が決まるまでの期間が長く、いつ現金収入を得られるかハッキリしません。
また、期間が延びれば伸びるほど保管料がかさむケースもあり、思いがけず高額の費用が必要となってトラブルになる事があります。

また、売り主としては少しでも高く売りたいため、販売額を維持しておきたいのですが、販売店側としては早く売って成約料を得たいために値下げ交渉が頻繁に行われます。
だいたい委託販売の場合の保管期間は1ヶ月が目安とされており、これ以上かかる場合はかなり強く値下げを依頼されます。
さらに、手数料などの料金体系が不明瞭である業者が多く、売り主との間で意思疎通があまり取れておらず、後々トラブルになる事も珍しくありません。

これまでは委託販売を依頼する場合、まず最初に手数料を支払う必要がありました。
このため、最終的に買い取り希望者が現れない場合は支払った手数料が戻ってこない事も多くありました。
手数料の額は販売店によってかなり差がありますが、売却価格の10%前後を設定している場合が多いようです。
安く売ったとしても5万円程度は支払う事になるため、売れなければ大きな損失となってしまいます。

委託販売は利用する業者が鍵

このような損を避けるために、売り主は不本意でも値下げに応じて買取希望者が出やすくするなどして、販売店とトラブルになる事も多くありました。
最近では手数料は車が売れた成約時に売却額から精算するか、売れなかった場合は手数料無しという業者が増えてきています。
手数料が無しとは言っても展示していた間の保管料は必要となるケースが多いので、トラブルを避けるためにも最初に確認しておいた方が良いでしょう。

このように、委託販売は労力の面でメリットある一方、売れない可能性も高く費用の面で販売店とトラブルとなる可能性も高いのです。
このため、事前にネットの一括査定サイトなどで自分の車の査定額相場を確認するなどして、すぐに売れやすい価格設定にするのも大切です。
さらに、契約前に販売店と細かな点をよく打ち合わせし、トラブルにならないよう注意しておきましょう。

面倒なトラブルを避けるために

人気のある車であれば、委託販売にてより高く売却が出来る可能性があります。
しかしながら、それは買取にも同じ事が言えます。

車というのは、日々価値が低下していくという性質があります。
そのため、委託販売でいつまでも売れないというのは、非常にリスクの高い事というのは認識しておきましょう。

現在では、買取査定でも複数業者に行い価格競争をする事で、高く売却が出来る可能性が高くなりました。
買取の場合には、トラブルになる事も非常に少ないため、車の売却を検討している際には、一度一括査定を利用して、買取業者への売却も検討してみると良いでしょう。